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コラム

2021/04/05
第14回 効率vs.超非効率 

もう20年は経つだろう。

ある日、心に異変を感じた。

ぼくの何かが変わり始めていた。

急に仕事が面白くなり、日常も変わり始めた。

気分も高まった。

それから数日後…… 異変は、手応えに変わった。

異変の「謎」が解けたからだ。

ぼくの中にあった、まったく相容れない2つの「こと」が長い熟成期間を経て合体し、

同化を始めていたからだ。

 

 

ぼくの仕事は、予算統制から始まって、効率、コストダウン、戦略、経営計画、内部監査、

そして、経営戦略コンサルタントと、一貫して「マネジメント」と共に歩んできた。

もう1つ、仕事以外に一貫して愛してきたものがある。「茶の湯」である。

起業してから仕事に追われ、出張も多かったので、現在は一時休止しているが、さまざまな

ことを学んだ。

 

茶の湯との出合いは50年以上前のことである。

当時のぼくの仕事は「効率」だった。頭の中には効率という二文字が刷り込まれていた。

F・W・テーラーの科学的管理法から派生した手法が、高度成長を背景にして面白いほど

コストを下げた。

そんなとき、たまたま茶会に出席する機会があった。

 

茶の湯の世界に初めて触れたとき、ぼくの頭がひっくり返った。

そこには信じられない、まったく理解できない世界があった。

一服のお茶を頂くのに、1時間近く待たされ苦情を言うどころか、心にもない言葉で

うやうやしい挨拶をなぜ、するのか。一服のお茶を点てるのになぜ、30分もかけるのか。

5分もあれば十分でではないか。床の間の掛け軸は何を意味するのか。

茶道具をなぜ、見せびらかすのか……

 

しかし、ここには「何か」がある。

茶の湯は日本を代表する文化の1つではないか。

茶会の帰路、書店に立ち寄り一冊の本を手にした。タイトルは「茶の精神」(千宗室著、

淡交社刊) 記念に残る一冊になった。 

こうして、ぼくは茶の湯の門をたたいた。

 

入門して気付いたのは茶の湯のすそ野の広さである。学ぶことは山ほどあった。それなりに

学習したし、週1回の仕事帰りのお稽古、月1回の茶会にも欠かさず通った。

5年、10年経過して、お点前(お茶を点てる作法)は徐々に上達していった。茶の湯の奥深さに

圧倒された日もあった。が、茶の湯に潜んでいる「何か」については、何一つ解明できて

いなかった。

 

それからさらに10数年、茶会に何度も足を運び分かりかけてきたことがあった。

「一碗」(一服のお茶)のために、客に喜んでもらえることは何でもする、という

「頑なな精神」の存在である。

ここでは、すべての客のために、コスト無視の世界が展開されていた。

極上のツール(茶器、茶室など)を背景にして、極上の人間関係を創り上げる。その機会を

提供する場が茶会であることを徐々に感じ始めていた。

茶室では、悔いの残る一期一会にしてはならないという亭主(茶会の主催者)の強い意志と、

それに応えようとする客の細やかな心遣いが交錯した別世界が繰り広げられていた。

一碗のために、亭主と客は暗黙の絆で結ばれていた。

当然、別世界での一碗には特別の味わい、日常では感じ得ない、五感で感じる深い味わいが

あった。一期一会の幸せもあった。   

 

茶室で展開される別世界、それは正に「究極の顧客満足」の世界だった。

しかし、このことに気付くまで相当の時間がかかった。

効率vs.超非効率 という対極の構造、この構造が固定観念の壁を打ち砕くのを妨げた。

 

究極の顧客満足を希求するのは、ビジネスの世界でも変わりはない。

ビジネスは、多種多様な夢と願望に溢れ、喜怒哀楽が渦巻いている世界である。

この複雑怪奇な世界を一刀両断できる普遍的は解決手段が手許にあったことに気付いた。

やっと気付いた。それが「茶の湯」だったのだ。

茶の湯の精神、究極の顧客満足の精神をもってすれば、一刀両断は容易い。

人生においても変わりはない。

人を思いやる、愛おしむのは、人生の「基本の基」である。日常生活の「基本の基」である。

茶の湯は日常生活の中にも深く係わっているのだ。

 

今思い返してみると、20年前の異変は、マネジメントと茶の湯という2つのフィールドが

重なりつつあるときだったのだ。

合体して新しい1つのフィールド(新フィールド)になったときだったのだ。

マネジメントと茶の湯という「科学と文化」が合体し、同化を始めたとき、さまざまな変化を

感じた。

新フィールドは常に最高のものをぼくに求めてくる。「もっとハイレベルを目指しなさい」と。

気のせいかもしれないが、単眼が複眼になってきたような気がする。さまざまな視点から考え

られるようになってきた。

「パーソナル経営」という(多分)今までになかった発想で、中小企業経営の新しい

「マネジメントスタイル」もまとめた。2017年商標登録も得た。

じっくり10年程度かけて、その浸透を図りたいと考えている。

今、クレイジー目標(詳細は第5回コラム)に取り組んでいる。

心の火を燃やし続けながら未来を見つめ、あれこれ模索する日々が続いている。楽しい日々が

続いている。

 

 

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